順行と逆行の揺らぎ、そして再開-『響け!ユーフォニアム』1期1話/3期1話-

こんにちは、お久しぶりです。

アニメ記事はMyGO!!!!!以来ですね。

ようやく書けるようになったというか、ようやく「これは記事を書きたい!」と思える作品がやってきたという気持ちの変化です。

今回は2024春アニメから『響け!ユーフォニアム』です。

 

ついに、ついに、来てしまいましたね。久美子3年生編。

この作品は私の中でも特に思い入れの強い作品でして。というのも、私がアニメをガッツリ見るようになったきっかけの作品の1つだからです。今でも5本の指に入るほど好きな作品です。

だからこの作品の続編を見られるというのはとても嬉しい気持ちなのですが、同時に寂しくもある。これが終わってしまったらもう新しいユーフォは見られなくなってしまうんだと思うと、既にもう泣けてしまう。つらい。

 

というわけで3期1話を見るのもやや出遅れてしまったのですが、覚悟を決めてようやく見ました。

 

響け!ユーフォニアム、最高!

 

もうとにかく最高です。ファンサービスが特盛りで叫ばなかったシーンが1つもない。

3期1話の感想をそのまま書いてもよいのですが、せっかくなので私がいつか書こうと思っていた、ユーフォ1期1話のモチーフのお話と関連させてみようと思います。

 

順行と逆行について

 

お気づきの方も多いとは思いますが、3期1話のアバンで登場したモチーフの多くが1期1話から輸入されたものでした。

1期1話のアバンでは「始まり」を連想させるようなモチーフが多く出てきますが、それと同時に「戻る」ことを連想させるモチーフも出てきます。

本記事ではそれぞれ「順行」「逆行」というように表現したいと思います。

具体的には、1期1話では「順行」は久美子が「吹部と近づく方向に進むこと」、「逆行」が久美子が「吹部から離れる方向に進むこと」ということになると思います。

物理的か、精神的かは、場合によりけりです。

 

1話なのに「逆行」というのは少し違和感があるかもしれませんが、それはちゃんと物語と対応していて、特に主人公である黄前久美子の心象を表しているといえます。

 

では、以降では具体的にどんなシーンなのかを挙げてみます。

まずは1期1話のお話です。

 

1期のモチーフ

1期1話のお話、覚えていますでしょうか。久美子は中学(大吉山中学校)で吹奏楽部に所属しており、府大会でダメ金を取った。その結果を見て泣いていた麗奈に「よかったね」というと「悔しくって死にそう」「私ら、全国目指してたんじゃないの?」と返される。それに対して「本気で全国行けると思ってたの?」とノンデリ発言をかます

久美子は高校では同じ中学の子が少ないという理由で北宇治高校に入学した。北宇治高校の吹奏楽部は特に強くなくて、中学の子、すなわち吹部で同じだった子たちの多くは他の吹部が強い高校に行っているということである。

そこで久美子は、当然吹部の強い高校に行っていると思われた麗奈とまさかの再会を果たし、さらにそこで知り合った川島緑輝(以降、緑)や加藤葉月に誘われるがままに、悩んだ末に吹部に入部することになります。

 

前置きが長くなりましたが、重要なのは久美子が「悩んだ末に吹部に入部した」という点です。

響け!ユーフォニアム」というくらいなので、ユーフォを吹いていた久美子が吹部に入るというのはメタ的に言えば当然なのですが、久美子には吹部入部に対して絶妙な葛藤があったことが読み取れます。その葛藤「順行」と「逆行」のバランスで成り立っている。そしてそのバランスは、後述する『地獄のオルフェ』のシーンの前後で大きく変化することになる。

以降では、それらのシーンを具体的に示していきます。

 

信号

わかりやすいものだと、信号が「順行」のモチーフになっています。

緑が信号のボタンを押す

信号が赤から青へ


久美子が吹部の見学に行き、麗奈と再会したあと、緑と葉月と一緒に帰る途中の場面です。

信号が赤から青になって、なんだか「始まり」だとか「スタート」を連想させるシーンになっていますね。順行のモチーフです。順行側にバランスが大きく傾きます

 

 

少し話がズレますが、ここで信号を赤から青にしたのは、ボタンを押した「緑」であるということにも注目したいです。色の話ではなく。

このときの緑のセリフで「緑は(吹奏楽)やりますよ。音楽が好きですから」というのがあります。緑のこの精神は久美子に少なからず影響を与えていると思います。

 

というのも、1期12話で姉の麻美子と言い合いになるシーンがありました。

「音大行くつもりないのに吹部続けてなんか意味あるの?」と言われて、それに対して久美子は「あるよ!だってわたし、ユーフォ好きだもん!」というセリフを返しました。

ということもあって、「好き」という気持ちが吹奏楽への原動力になるマインドを伝えた緑が、久美子の吹奏楽の再開に寄与している部分は少なからずあると思います。

 

(色の話もありそうです。信号の青は実際、「緑」色ですし、緑輝という名前は何かを輝かせる、照らすようなイメージを連想させます。月永求がやたら懐いているのもそれと関係があるかもしれません。)

 

改札 (帰り)

続いて、改札のシーンです。先ほどの信号のシーンでは、赤信号から青信号になっていて、順行側のバランスが強くなっていましたが、ここで少し、逆行側に傾きます

 

帰りの電車の改札を通るときに久美子は葉月に声をかけられる。

呼び止められて改札の途中で止まる久美子

 

「久美子は?」「どうする?吹部」

と尋ねられると久美子はワンテンポ置いてから「ちょっと...考える?」と答える

 

このとき、改札の途中で止まっていること。これが重要です。

先ほどまで、青信号の点灯によって順行側に傾いていた天秤が、逆行側に傾く

 

3期になった今でこそ、そうは思えませんが、久美子が高校で吹部に入るまで道のりはとんとん拍子ではありません

とにかく葛藤があります。順行と逆行を載せた天秤が揺れ動く。その葛藤がこのシーンに表れている。

絶妙な葛藤をこういった日常的なシーンで描いてしまうのがユーフォの凄いところだと思います。

 

電車 (帰り)

電車の進む向きは時間の向きや登場人物の心象を表すことがあります。

動画のシークバーなんかがわかりやすいと思いますが、右に行くほど時間が進む

また、それは前向き後ろ向き、+と-、ポジティブとネガティブのイメージなんかとも対応して、おおざっぱに右がポジティブ、左がネガティブみたいなイメージがあります。

今回でいうと、右が「順行」で左が「逆行」ということになります。

帰り際の下り方面電車(→)

その流れでいくとこのシーンは「順行」ということになります。

葉月や緑に説得されて気持ちは順行側に傾きつつある、つまり吹部入部の方へ向かいつつある

しかし、この電車、下り方面電車なんですね。

京阪宇治線路線図

京阪電車 駅・路線図(バスのりかえ)(https://www.keihan.co.jp/traffic/station/ )より

こちらは久美子たちが乗っている京阪宇治線の路線図です。

北宇治高校は黄檗オウバク)駅にあります。

久美子と葉月の家の最寄り駅は宇治駅で、黄檗駅宇治駅は下り方面の電車です。

上り方面と下り方面の電車が対応すると考えると、「上り方面」が「順行」で、「下り方面」が「逆行」だと思うんですね。

 

そう考えると、このシーンには「逆行」の重みも見えてくる

つまり、久美子には「吹部には入らない」という気持ちがまだここにある

 

実際、このあとの秀一との会話で「(吹部に)入ろうと思ってたけど、やめることにした。」と一度やめる決断に落ち着きます。

 

麦茶

続いて、麦茶のシーンです。

一見普通のシーンですが、ここにも久美子の葛藤が表れています

このあとに出てくる牛乳のシーンと合わせて、ユーフォ作品全体の中でも私が特に好きなシーンの1つです。

飲み残された麦茶

この麦茶、最後まで飲みきっていないんですね。

飲まないでもなく、飲みきるでもない。吹部に入らないでも、入るでもない。この絶妙なバランスを見事に示しているシーンです。

「吹部に入ろうかな」という「順行」する気持ち「吹部に入るのをやめる」という「逆行」する気持ちが入り混じっています。

 

また、このシーンで久美子が吹奏楽を始めるきっかけとなった久美子の姉、麻美子が帰ってきているという話をしているのも、この葛藤を表すシーンに「順行側の重み」として効いているような気もします。

 

ベッドと楽譜

ここは少し余談っぽくなります。3期でも似たようなシーンがある、ということで話を載せました。

ここで見事だと思うのは、久美子が読んでいる楽譜集(?)に「大吉山北中学校」とあるのですが、この学校名がこのあと滝昇の登場シーンにも出てきます。

 

「大吉山北中学校」の楽譜集を手にベッドに横たわる久美子

 

滝先生の音楽プレーヤーの画面、「大吉山北中学校」の文字

この場面、神社で滝昇が遭遇したカップルにオタク語りをしたあと、音楽プレーヤーに「大吉山北中学校 府大会」の文字が映し出されます。

 

このシーンだけで、

「滝昇が吹奏楽に精通していること」

「滝昇と麗奈(久美子)とはなんらかの関係があること」

がわかります。

この短時間にこれだけの情報量が詰まっていたんですね。

 

地獄のオルフェ

そして、先ほどのシーンですが、久美子が楽譜を読むとともに『地獄のオルフェ』が流れることによって久美子の吹部への熱の高まりを表しているようにも思えます。

ここからの一連のシーンはセリフがなく、一見そうでもないように見えるのですが、実は結構重要な気がしています。

というのも、このシーンが久美子にとっての順行と逆行のバランスの転換点でもあるからです。

帰ってくるなりうつ伏せでベッドイン

吹奏楽への熱の高まりとともに仰向けに

実際、上に示した通り、このシーンの前後で久美子がベッドの上にうつ伏せだったのが仰向けになっています。

うつ伏せ=「逆行」

仰向け=「順行」

だとするならば、『地獄のオルフェ』は、

「逆行」側の重りを急激に取り外すことで、一気に「順行」側に傾かせている

ようにも見えます。

つまり、久美子はこのシーンを始点とした、吹部入部へのベクトルを伸ばし始めることになります。

 

牛乳

さて、地獄のオルフェのシーンを終えて、今度は久美子が牛乳を飲んでいる場面です。

牛乳を全て飲み干す久美子

先ほどの麦茶は途中で飲み残しており、それは久美子の吹部入部を決めかねた葛藤を表しているのでした。

対照的に、この場面では牛乳を飲み干しています。牛乳を飲み干したことは、順行側への傾き、つまり久美子の吹部入部への決意の表れが読み取れます。

麦茶ではなく牛乳なのは、単に朝だからなのではないかと思いますが、とても日常に溶け込んだモチーフの使い方だと思います。

この対比がとても綺麗で、大好きなシーンです。

 

吹部入部への決心を固めた久美子。「久美子~朝ご飯は~?」と聞かれるも「要らない」とバッサリ切り捨てる。

逆行の重みがなくなって、久美子の言動にも軽やかさ、ダイナミックさを感じます。

 

改札 (行き)

『地獄のオルフェ』が流れ、牛乳を飲み干すことでさらに順行側にバランスが傾きます。

止まらずに進む久美子

帰りのときの改札では、葉月に声をかけられ、改札の途中で止まっていました。それが葛藤を表しているという話でした。まだそのときは、逆行の重みがそれなりにあったということです。

しかし、行きの改札ではどうでしょうか。上に載せた通り、止まることなく右方向へ進んでいきます

 

電車 (行き)

帰りの電車では、右方向へ進むことで順行に傾きつつも、下り方面電車に乗るという逆行の重みがありました。

しかし、地獄のオルフェと牛乳、改札を止まることなく通ったことで、順行のバランスに強く傾き、その結果上り方面電車に乗って右方向に進みます

行き際の上り方面電車→

この時点で、既に吹部入部が決まっていることが読み取れます。

 

まとめ

まとめます。さて、このあと実際に緑や葉月たちと会話をする中で、吹部への入学を決意したことが判明しますが、それはこれら描写の流れで手に取るように分かる。

それは久美子の心象(葛藤)が順行と逆行のバランスで構成されており、そのモチーフが反転され、繰り返される形で用いられることで、順行と逆行のバランスの時間変化が見て取れるからです。そしてそのモチーフは久美子の日常生活の中に溶け込んでいる

ユーフォ1期1話はこの構成やモチーフのピックアップの仕方がとても美しく、『響け!ユーフォニアム』の顔といえるような話になっていると思います。

 

3期のモチーフ

さて、これまで1期1話の構成についてお話してきました。

私は以前から上記のようなモチーフの用いられ方に注目していたため、今回、3期1話を見て興奮が止まりませんでした。

3期の1話でもこれらのモチーフが繰り返し用いられていたのです。

 

ベッドと楽譜

ベッドと楽譜、起き上がる久美子

うつ伏せ状態から起き上がる久美子。

手元には楽譜があって音楽を聴きながら起き上がります。

このシーンを見ると、1期の『地獄のオルフェ』のシーンが想起されます。

1期では帰ってきたあとにうつ伏せになっていたので、そこから起き上がるということはやはり「再開」の印象を与えますよね。




 

余談

相変わらずの脚へのこだわりである

牛乳

牛乳を飲み干す久美子

そしてこの牛乳です。

ちゃんと飲み干していて、感動しました。やはりこのモチーフは強力で、「順行」のイメージを強く印象づけるものになっています。

 

ところで、ここので父親のいうセリフで気づいたのですが、3年生ということで受験の話も入ってきそうですね。一生吹部の話だけしていて欲しいものです。

 

 

始まりのエネルギーを詰め込んだ構図

こちらは1期との対応はありませんが、「順行」の重みが乗っていて、「再開」の印象を与えます。やっぱり足。足は口ほどにものを言います。

 

信号

信号が赤から青に変わり、横断歩道を渡る久美子

1期と違い、緑がボタンを押すこともなく、信号が青になり、そこを久美子が突っ走ります。やはり順行への傾きがあります。

ところでここのシーンの信号、赤が一瞬だけ映り込むのですが、そこで一時停止するのが困難なほど短いです。これも意図的なものなのかもしれません。

 

逆行?

左へ歩く

ここのタイトルが出ているシーンですが、先ほどの「左=逆行」「右=順行」の話を汲むと、左に歩いているので、逆行しているように見えます

さらにこのあとにも麗奈と再会したあとで左向きの上り方面電車に乗ります。

上り方面電車←

こう見ると、「再開」したはずなのに、逆行していて違和感があります。

一旦置いておいて先を見ましょう。

 

余談

!?!?!?!?!?

ヤバいメタファーが盛り込まれていますね。ナニとはいいませんが。

北宇治カルテット=順行

葉月とも合流。左奥へ進んでいく

葉月と合流しても左奥の方に逆行していきます。

しかし、左向き成分、すなわち逆行の重みが減ったとも考えられます。

ここから順行に傾いていくのでしょうか?

さらに先を見ます。

改札を右へ進む

 

麗奈と久美子、そして葉月が改札を右に出る、つまり「順行」して緑と再会することになります

 

ここでようやく順行し始めます

北宇治カルテットが揃ってようやく右方向へ

すなわち、北宇治カルテットが揃うことで初めて「順行」するという仕掛けになっていました。

響け!ユーフォニアム』を再開するのであれば、この4人からという思いがあったのかもしれません。

 

響け!ユーフォニアム』、再開

そしてこのシーンはこれまでの話を汲んでいるようにも見えます。

ユーフォは最初、久美子が麗奈に余計なひとことを言ったところから始まっていて、それは久美子が吹奏楽から自身を遠ざける理由の1つでもありました。それは「逆行」です。

しかし、高校に入って葉月と緑と出会った。それが吹奏楽を再開する、つまり「順行」するきっかけになっていました。

 

この一連の流れが、上記の3期1話のアバンに組み込まれていたと考えることができると思います。

 

そして、話は変わりますが、

息をするように脚を映す構図

先ほどの4人が右へ歩くのシーンを普通に映すよりも、まず脚を映す。脚へのこだわりの強さたるや。

 

終わりに

今回の記事は以上になります。

「ユーフォは1期1話がすごいんだよ!」というのを各方面に言い続けてきましたが、それをようやく記事の形に出来たという意味でもとても満足感があります。

皆さんに読んで、理解していただけるかはわかりませんが、読んでいただいた方たちには、自分のこのエネルギーだけでも伝わればいいなと思います。

改めて、響け!ユーフォニアム』3期1話、最高でした!

2話以降も楽しみにしております。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

なお、用いた画像は

響け!ユーフォニアム』,©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会

響け!ユーフォニアム』,©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会2024

より引用させていただきました。

外部院試を受験される方へ-東大院受験の経験を踏まえて-

(注:ガチガチの合格体験記を望んでいる方は、以前の記事『東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻生命環境科学系に合格した。』を読んでね。)

 

こんにちは。久しぶりの更新です。MyGO!!!!!の記事以来ですね。

あれからいろんなことがあったような、なかったような。

MyGO!!!!!のライブに行ったり、大洗に行ったり、原付で東北から関東まで走ったり、つい先日から新たな研究室での生活が始まったり、でしょうか。

 

いろんなこと、ありましたね!

 

思い出を取りこぼしてしまうのはもったいないので定期的に振り返るべきなのかもしれません。

 

さて、当ブログの基本軸はアニメということで、私の大好きなアニメである『響け!ユーフォニアム』の3期も始まったところで、その記事を書くべきなのかもしれません...

 

が、です。

 

当ブログ、一番見られてるのってこの院試の合格体験記なんですよね。

kemo-no-kine-s.hatenablog.com

 

Googleから当ブログへのアクセス先の記事

X (Twitter)からの当ブログへのアクセス先の記事

 

需要と供給がいかに大事かを思い知らされます。

 

 

実は先日、ありがたいことに、当ブログへ初のコメントが飛んできまして。

その院試合格体験記の記事についたコメントなんですけど、それがとてもとても嬉しくてですね。そのおかげでブログ更新モチベ爆上がりでして。その割に結局更新していなかったのですが。

そろそろ院試の季節でもあるので、もう一度、院試を終えてしばらくたったあとの所感なんかも交えて記事を書けたらいいかなと思い、本記事を書くこととしました。

 

なお、当記事はコメントをいただいた方とのやりとりの中で自分が返事をした内容をもとに作成しています。

 

この時期から院試勉強を始める方へ

正直、全然間に合うと思います。ただし、いくつか条件があります。

①既に志望研究室はもう決まっている/決めている状態

②使用する英語資格試験の申し込みを終えている状態

が望ましいです。

 

①に関してですが、これは確実に確定させてなければなりません。というのも、これがないと

・勉強を進められない

・過去問を手に入れられない

ということになります。

 

志望研究室が「不定」であるなら全ての研究室に対して対策すればいいだけなのですが、候補すら決まっていないとなると厳しいです。過去問ゲーである場合は他の受験者にアドバンテージを取られてしまいますし、志望先が決まらなければ十分な勉強時間が確保できないし、対策も不十分になってしまいます。

 

また、過去問の解答があることは大きなアドバンテージです。研究室の先輩に聞けば大抵の場合は手に入ると思います。志望研究室に訪問に行っていないということは、そのアドバンテージを捨てることになります。

解答があるとかなり勉強がスムーズに進みます。私の場合なのですが、まず自分で過去問を解いてみて、調べてもよくわからんというときに使っていました。キーワードさえ拾うことができれば、調べるのもより効率的になります。

 

②については、受験資格に関わってくるため、重要です。とにかく、出願に間に合う段階で申し込んでるかが重要です。出願できる形式で結果が帰ってくるまでに時間がかかるので、それも見越した上で申し込んでおく必要があります。TOEICは確かに2週間くらいかかったと思いますが、その点についてもちゃんと調べておきましょう。点数については気にする必要はないです。少なくとも自分が受けたところでは、自分が「「645点」」で受かってるので、特にレベルが高いとかもないと思います。相当悪かったら足切りとかされるか本試験で差がつかなかった学生で、どちらを落とすか決めるときの判断なのかなーと考えています。

 

学習計画について

これは本当に人それぞれだと思います。以下に示すのは一例です。

 

4月: 過去問で頻出の問題を解く、勉強する

5月: 調べながら他の過去問解答作成

6月: 過去問を解いてみて、解答を再現する

 

聞けば広域科学専攻(?)生命環境科学系(?)はどうやら今年から、受験日が1ヶ月程度早まったそうですね。それも踏まえての計画です。

 

まず4月ですが、過去問を遡ると、ほぼ毎年のように出題されている分野があるのがわかると思います。細胞内輸送とかシグナル伝達とか。これらの解答作成をするのがいいのではないかと思います。参考にすべき教科書は以前の記事に載せていたはずなので、そちらを参照されるとよいかもしれません。脂質ラフトの説明とか。

 

続いて、5月の計画についてです。次は他の問題についての解答を作成していくということになります。その過程で馴染みのない概念が問題に組み込まれているといった問題が生じてくると思います。そのときは調べます。本でも論文でもなんでもよいです。調べて、その用語について文章で説明できる程度にしておくのがよいと思います。過去問を遡ると、過去に出題で使用された用語が次年度以降問題になっているということが頻繁にあるのがわかると思います。そういったときに点数に繋がります。

 

6月についてですが、ここの院試については過去問の解答をつくることが全てだと思っているので、もはややることはないです。解答を再現する練習をするのがよいのではないでしょうか。

演習書などあればそちらに取り組むのもよいと思います。

また、書いていて思い出したのですが、大阪大学大学院理学系生物科学専攻の院試問題は公式の解答がついています。知識を補填するにはちょうどよい難易度で、しかも解答付きなので、演習にもよいと思います。私は解いたことはないですが、同じく生命環境科学系を受験した友人は解いていました。興味があれば覗いてみてください。

www.bio.sci.osaka-u.ac.jp

 

ちなみに完全な再掲になりますが、私が受験当時に立てていた計画を以下に載せます。

院試の学習計画(再掲)

ちなみに全く守れませんでした!

結局網羅的に取り組んだのは『理系総合のための生命科学』(以下、理系総合)だけで、こちらは5月中に読み終えました。確か過去問は5月途中くらいからやっていたと思います。理系総合を主に参照しつつ、たまに『Cell』を参照したり、あとはとにかくネットで調べました。

最終的には確か、7月の第1週とかに過去問を1周目を終えたあと、2020年を2回目解いてやめたと思います。7月の第3週とか全くやる気起きなくて勉強してなかった気がする。

直前はCRISPR/Cas9の原理が気になったので説明できるようにしたり、塩基とアミノ酸の構造が心配だったので描けるようにしたりしてました。前者はまぁ聞かれないと思いますが。

 

終わりに

書き終わったあとに見てみると、以前の記事から新規の情報はほぼなかったですね......。だんだんと受験日が迫ってきて不安になる気持ちもあると思いますが、落ち着いて勉強したらよいと思います(自戒)。

自分も今、新たな研究室の新たな研究を始める段階であり、「早くキャッチアップしなきゃ」と焦る毎日です。論文をろくに読んでこなかったので、そりゃあもう大変です。

また、自分は電車でキャンパスまで通っています。人生で初めての電車通学で日に日に疲労も溜まっております。一方で、通学の時間は読書に充てており、気持ちの切り替えにもなるので、有意義ではあるかもしれません。

 

キャンパスの周りには桜も咲いてきました。駒場の周辺はとても綺麗です。

画像に違和感を覚えた方、正解です。消しゴムマジックで映り込んでしまった人間と僕の指を消しています。

 

とまぁ、締まらない感じになりましたが、最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。お互い励みましょう。

生きているバンド、死んでいるバンド-『BanG Dream! It's MyGO!!!!!』10話

MyGO!!!!!は"生きている"

MyGO!!!!!において特筆すべきは、その"生"のことである。

他のバンド、例えば「結束バンド」や「放課後ティータイム」と比較すると、MyGO!!!!!は生きているのである。生命力に溢れ、活力がある。元気をもらえる

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7話を皮切りに崩壊していったMyGO!!!!!一行は10話で燈を核として、楽奈、立希、愛音を舞台に上げる。そして「壊してやる」とまで言った長崎そよをも舞台に引き上げ、MyGO!!!!!として演奏を行う。





多くの人はこのシーンを目の当たりにして、「ようやく報われた!」と救われた気持ちになるかもしれない。

しかし、このシーンの本質は演奏を行う前までのシークエンスである。このことについて、以下で補足していく。

 

ライブとはLiveであり、つまり生命である

そもそも、「ライブ」とはなんだろうか。

よく耳にするのはアーティストのライブである。アーティストはライブにおいて、観客の前で歌唱や演奏を披露する。

一方で、テレビを見ると画面端に「Live」という表記が見られることがある。これは「生放送」を表しており、映像を撮影すると同時にテレビで放映する。

 

しかし、原義に立ち返ればライブというのは「生、生命」である。

ロングマン英英辞典によれば、"Live"はいくつかの意味を持つが、そのうちの1つは"to be alive or be able to stay alive"である。つまり、「生きていること」。ライブというのは生そのものの具現化である。

 

 

迷子は出発点と到着点の間を駆け巡る

先ほど、MyGO!!!!!が生きている、という表現をした。それはどういうことなのか。

MyGO!!!!!というのはその名前の通り、「迷子」を意味する。これは燈や愛音が水族館のシーンを中心として、頻繁に繰り返すワードである。MyGO!!!!!というのは、要は「迷子」になっちゃったバンドである。では、「迷子」とはどういうことなのか。

 

これから述べることを想像してほしい。まず、地図上に1つの点がある。これを出発点とする。次に、地図上のその点とは異なる1つの点がある。これを到着点とする。

基本的には出発点を出発し、到着点に到達することになる。

ところが、MyGO!!!!!が出発点を出発したらどうなるだろうか?

MyGO!!!!!は「迷子」なのである。つまり、到着点にたどり着くことはできない。出発点にペン先をおいてそこからペンを走らせたあと、ぐちゃぐちゃと軌跡を描いて、到着点とは関係のない無秩序な運動の跡だけが残る。「迷子」とは恐らくそのような状態である。

 

到着点、すなわち死

先ほど説明した出発点と到達点の話を、生命とのアナロジーとして捉えてみる。

出発点というのは「誕生」である。一方で、到着点というのは「死」である。生命は誕生と同時に"生"の旅に出発し、"生"の旅を終えて到着点に到着することで死を迎える、ということになる。

これを考えると到着点に着いたバンドは、それは「バンドの死」として捉えることができる。

バンドも1つの生命である。バンドにも誕生と死がある。

最初は中核のメンバーが固まり始める誕生である。徐々にメンバーを増やし、結束し、安定化する。これが到着、すなわちである。

 

生きているバンド

これらを踏まえると、MyGO!!!!!は「生きているバンド」ということになる。

生命力に溢れ、活力があるバンド。

10話ではステージ上でバンドメンバーが召集されてゲリラ的にバンドを形作る。燈が立つと、楽奈が立ち、立希を呼び、愛音を呼び込む。そして長崎そよを引き上げる。

MyGO!!!!!でないバンドからMyGO!!!!!を観客の前で結成してしまうというのが新しさである。

長崎そよを引き上げる愛音





 

このバンドの誕生、そして生の旅が行われる過程が、全てステージ上で行われたことが、まさにMyGO!!!!!のLive(生、生命)を映し出しており、観客からすればまさしく"ライブ"なのである。

 

その一方で、例えば結束バンドや放課後ティータイム「死んでいるバンド」である。それらのアニメの基本的な構成は、アニメの前半でバンドメンバーが集まる。中盤から後半にかけて、メンバー間でのやりとりや、ライブが行われる。

これらのバンドはメンバーが集まった時点で既に、到着点に到達してしまっている。その後に行われるやりとりやライブは、もはや死後の永遠の世界で行われる娯楽の1つに過ぎない。

 

これまでの話から、MyGO!!!!!は旧来の王道的なバンドアニメ作品のカウンター的な立ち位置を占めることがわかるだろう。MyGO!!!!!はバンドアニメ界に革命をもたらしたといっても過言ではない。

 

 

 

これを読んだ人の中には言いたいことがある人ももちろんいるだろう。たとえば、MyGO!!!!!も10話で結成したのだから「死んでいる」だろうという人はいると思う。少なくともその点に関しては次の章に補足したい。

 

1つに見えて、バラバラ

その視線の先

MyGO!!!!!は10話を乗り越えて完全体、1つになったと解釈する人は多いだろう。実際、バンドとして演奏を行うためのハードルを1つ乗り越えた場面ではある。

しかし、なぜ1つになったと解釈できるのだろうか?

長崎そよがステージ上に上がったとき、メンバーの5人は円をつくり、みんなで中心を向いた。感動的なシーンに映るだろう。長崎そよは泣いている。ようやく1つにまとまった......。

 

本当にそうだろうか?

 

一般的なバンドがライブで演奏するシーンを思い出して欲しい。

基本的に、全員体の正面は観客の方向を向いている。つまり、みんなが1つの方向を向いている。これは、メンバーが1つにまとまっている状態と言えるだろう。メンバーはそれぞれ、観客によりよいパフォーマンスを見せようという考えで一致しているはずだ。

そう考えると、MyGO!!!!!はどうだろうか。実はこのシーンでは、誰も体を同じ方向に向けていないと解釈することも可能なのである。

それぞれが違う方向を向いている

このシーンは、一体感を演出しているように見えて、実は誰も同じ方向を向いていない、すなわちそれぞれが全く別の目的に向かっているのである。

 

例えば楽奈は1人、涙を流していない。楽奈視点の画角からは燈の方を向いているように見える。「やっぱりおもしれー女」とでも思っているのだろうか。

みんなが涙を流す中、意気揚々と演奏する楽奈

燈の方向を向いているように見える楽奈

愛音は観客の方を一瞥しているシーンがある。「私のこと見てくれてるかなぁ」と考えているかもしれない。

観客の方向を一瞥する愛音

長崎そよは立希と目を合わせたり、燈の方に目を向ける。CRYCHICである。

立希と視線を合わせる長崎そよ

燈に視線を向ける長崎そよ



もちろん、互いにアイコンタクトを取っている場面もある。演奏をまとめるということ、まとめなければいけないということについては一致しているのだろう。一方でこれらのことは、MyGO!!!!!が決して1つにまとまってはいない、結束はしていないことを示している。つまり、まだ「迷子」なのだ。活性化エネルギーが高く、いつ分解してもおかしくない。メンバーがメンバーとしてロバストではなく、メンバーの間に揺らぎがある。

 

MyGO!!!!!が10話以降も「生きている」、すなわち「迷子」であり続けていること、あり続けるであろうこと。

このことについて、次の項でさらに補足していく。

 

祥子の存在

13話ではAve Mujicaという新たなバンドの存在が明らかになった。

「全てをむき出しにする」MyGO!!!!!とは対照的に、「全てを覆い隠す」バンドという立ち位置である。

 

祥子というのは、Ave Mujicaのメンバーの1人である。一方でかつて祥子はCRYCHICの中核を担ったメンバーである。

彼女がAve Mujicaとして活動することになれば、かつてのCRYCHICのメンバーは、祥子がAve Mujicaとしてバンドをしていることに気づくことは間違いない。特に「CRYCHICのことを一生忘れない」と言い放った長崎そよはもちろん、それに同意した高松燈は、そのことを知れば、MyGO!!!!!の中での言動に影響が出てくるだろう。

そうなれば、祥子の存在を巡り、またMyGO!!!!!のメンバーはバラバラの方向に進んでいく。すなわち「迷子」になっていくことが予想される。

 

Ave Mujicaは"死んでいる"

これまでMyGO!!!!!が「迷子」であり、「生きているバンド」であること、今後もそうあり続けるであろうことについて述べてきた。そして、それはこれまでの王道的なバンドアニメのテンプレート化された構成に対するカウンター的な立ち位置を占めることについても述べた。

 

すると、Ave Mujicaはどうだろうか。Ave Mujicaは先ほど述べた通り、「全てを覆い隠すバンド」である。これはMyGO!!!!!と対照的である。これまで述べてきたことに照らし合わせると、Ave Mujicaは「死んでいるバンド」ということになる。

 

実際、Ave Mujicaは祥子が自ら掛け合って集めたメンバーによって結成したバンドである。

Ave Mujicaは13話の時点で始めから、到達している

つまり、「死んでいる」のである。

これは結局のところ、旧来的なアニメ内のテンプレートなバンドでしかない。そう考えると、Ave MujicaにはMyGO!!!!!に感じた新しさ、革命的な要素は恐らく存在しない。そういうわけで、Ave Mujicaという存在に私は不安を感じるところである。

彼女らがどのような姿を見せてくれるのか、不安な気持ちではあるが、(恐らく)祥子の救済という話が展開される上で、その過程で何か新しい展開があるのではないかという期待もある。

いずれにせよ、Ave Mujica編がアニメ化されるということで、楽しみなところではある。

 

以上の画像はバンドリちゃんねる☆『詩超絆(アニメ「BanG Dream! It's MyGO!!!!!」10話 挿入歌)』から引用しました。

youtu.be

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

前回の宮城ぶり透色ドロップ『透色の秋 全国ツアー2023 -宮城-』

久しぶりの透色ドロップ記事です。

9/23 (土)『透色の秋 全国ツアー2023 -宮城-』に前回のツアー宮城公演同様、ひらてという名義で参加しました。

 

1年ぶりの参戦かつ、これ用のX(Twitter)アカウントもほとんど動かさず情報収集もしていなかったため、透色からはガッツリ離れていたことになります。

めちゃ久しぶりですが、オタクが仙台に来るとのことだったので、また参戦することになりました。

 

元々アイドルは西野七瀬さんが在籍していた頃に乃木坂にハマっていて、追っていたくらい。彼女が卒業してからもかなりの年月が経っている。もはやちゃんと追う体力はもはやない。残念ながら。しかし、そんなデバフはひっくり返されてしまうことになる......。

 

↓前回の記事

kemo-no-kine-s.hatenablog.com

 

 

予習会

前日はオタクと振りコピや曲の予習をしていたわけですが、そのためにライブ映像を見た。やはりすごいのは梅野心春さんである。ライブ中の彼女はなぜあんなにも輝いているのか、わからない。ほんとにわからない。モチベーションが指数関数的に上昇していく。去年見た光景がふつふつと想起される。体に熱がこもっていく。繊細な指運び。滑らかな関節の動き。大胆でキレのある腕の振り。モチベーションは最大値に収束していく。

 

前特典会

2回目とはいえやはり緊張。いろいろ話すことを考えていましたが、僕の名前を言うと弾丸トークでした。なにを緊張していたのか。

というか、なにかがおかしい。しっかりと顔を見つめて話していたはずなのに、直後。もう記憶がない。俺はなにをしていたんだ?

というか、なにかがおかしい。梅野心春さんとの間に『無限』を感じる。遠目で見ていると何の変哲もない、1人の少女なのだが。近くで話すほど、『無限』の距離を感じる。特に今回はパーテーションもない。なのに『壁』がある。やはり彼女はアイドルだ。記憶がない。一瞬の夢。この浮遊感こそが、「私は1人のファンである」ということと、「梅野心春はやはり正真正銘の"アイドル"である」ということを実感させるのだ。

 

話の内容としては、まず顔が思い出せなかったらしいので名前を言いました。そしたら思い出してくれました。嬉しい~~~。加えて「仙台か名古屋のどっちだったっけ?」「X(Twitter)で低浮上だったから心配した」「(僕が前回書いた)ライブレポについて」の話をしてくれました。

 

心配させちゃってたか~。ごめんね~。今後はもうちょっと顔出すよ。

と、心の中では思わず彼氏面である。まったく、こういう気持ちにさせてしまうところも彼女の魅力なのだ。

 

ライブレポについてはまた今回も書くよと伝えました。現地に参戦すると、書き残したいこと、伝えたいことがどんどん溢れてくるんですよね。不思議です。透色ドロップの魅力ゆえなのか。

 

ライブ

 

りちりちとHashtagをやれ。

 

「りちりちは愛知公演でやってたっぽいので流石にないか~~?」

という話をオタクとしていた。

前回の宮城公演でもやってたけど、りちりちのダンスはメリハリがハッキリしているので、キレッキレの梅野心春さんのダンスが輝く。それをまたぜひ見たいんですよね。

Hashtagは、MVの天川さんがとても輝いていたのでそれをぜひ見たい。

 

そして、幕が上がる。

うお~~始まった~

 

り、りちりち!?!?!!?!?

 

正直諦め半分だったので頭がバグってしまった。

りちりちのいいところはダンスにメリハリがあるので、キレッキレの心春さんのダンスがよりいっそう輝くところなんだ。

揺れるツインテールポニテか髪を下ろしてる梅野心春さんがいいと思ってたんですけどもね、ツインテ心春さんも、結局いい。左右で控えめに揺れる髪の毛が切なさと淡さを感じさせる。だ。ポニテは激しいダンスのとき、大胆に揺れるのでかっこよいのだが、これはこれで、また別の良さがある。

Hashtagはやりませんでしたね、結局。また今度にお預けです。

 

『君と夢と桜と恋と』と僕の恋と。

君夢のサビの指さし。あれ、レスがもらえて嬉しい。今回は一般席の最前ド真ん中で、センターと真正面の位置にいた。お互いに視線を合わせ指をさし合う。梅野心春さんと視線が合い、かつお互いに指をさす。

 

恋人同士でいちゃついているかのような体験である

 

なんとも幸せな時間であった。

 

梅野心春サディスティック

以下数行は妄言なので、半分無視して欲しい。ライブ中、梅野心春さんと目が合うことがしばしばあった。そこで僕がぎこちない振りコピをしていると、

「大丈夫だよ。私の振りを見て一緒に踊ろう?」

といわんばかりに、彼女が慈愛の目を向けてくれることがある。そのとき、名状しがたい感情に襲われる。彼女のダンスが非凡であるがゆえに

「ちゃんと振りコピ出来なくてすみません......」

と、自分が情けなくなる。しかし、そんな感情を与えてくれる彼女の無意識の中にあるサディスティックな部分。いうならば彼女の罵倒である。これもまた、彼女の魅力の1つでなのだろう。

 

 

オタク的よかった、ダイジェスト

・最初のMCで髪を直しながら掃ける瀬川さんがよかった。りちりち、クラゲで崩れそうになったのかな?

・『君と夢と桜と恋と』瀬川さん。サビの指さしのときの最強最高の笑顔が素晴らしい。心が洗われるようである。

・『出会えた君へ』瀬川さんと佐倉さんの歌声が可愛らしくかつ透き通っていたのが素晴らしかった。

・才川さんの天然芸(?)、面白かった。呪術廻戦のネタバレするな!!

 

終演後特典会

ライブの感想を言いに行くぞと1枚購入。やはりチェキは何度行っても緊張する。足踏みしていると、身内のオタクが別のオタクに絡まれており、無限ガチャ編に突入していた。なぜか僕も巻き込まれて、缶バッジを購入することに。結果的には実写+デフォルメの心春さん缶バッジを装備していくことに成功したので、ヨシ。

 

そしていざ出陣。缶バッジの話から、センターに立ったとき目の前だったよね前回のライブでは下手側の前の方にいたよねと。いやいやいや、まぁ今回のライブでセンターにいたという話をしてくれるのはもちろん嬉しいのだが

 

前回の場所も覚えてくれていることがあるのか???

1年前ですよ???

 

これがファンサの鬼というやつですか。流石にドキドキが止まらない。

それにしても今回心春さんがセンターに来たときめちゃくちゃ目が合って本当に幸せだったな。この気持ちの名前は......?降り出す雨も祝福してくれているようだ。

 

続いて僕の前回書いたライブレポの話である。これだけ話に挙げてくれると、やはりブログに書いたかいがあったなと。チェキ会だけでは話したくても話せなかったこととか、話し言葉では伝えきれないことがたくさんあるので、それを書いて、読んでもらえるというのは僕としてもよいコミュニケーションツールとなっている。

そしてあろうことか、僕の記事がダンスの練習のモチベになってると言ってくれた。

 

梅野心春さん、僕を喜ばせるのが上手い。

 

かっこよさを追及してくれるのは嬉しい。今後も楽しみだ。しかし一方でこの記事がプレッシャーにならないことを祈る。自然体の心春さんが一番素晴らしい心春さんだ。

 

 

今回はこれで以上です。明日のリリイベにも参加する予定ですが、一旦今日の内容でまとめたいと思います。

来年からは関東に戻るので、仙台で参加することは恐らくもうないかも。ただ、その代わりに東京での対バンや単独にも参加できるようになるので、来年はもう少し参加してみたいところです。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻生命環境科学系に合格した。

以前の記事で、院試の勉強があるという話をしましたが、結果が出まして。

この度東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻生命環境科学系(長い)に合格しました。

その体験記を書いてみようと思います。

東大院への進学は珍しくないと思うのですが、ここの合格体験記とかは少なかった(なかった?)ので需要はそれなりにあるのかなと。

 

Notionにメモ的にまとめていたものを、軽く編集した形でブログ記事とします。受験者サンプルの1つとして参考にしてください。

 

プロフィール

所属:地方薬

受験:同大学院、東大院(共に合格)

詳細な背景とかは、最初に体験記として書こうとした記事が想定より文量が多く、エッセイ的になってしまった記事があって、後ほどそちらで投稿しようと思います。気になった方はそちらから。院試対策のために記事を読む人にはあまり必要ないと思います。

 

研究室選びについて

研究室の選び方については多くの人が記事を書いていると思うので、参考程度に。

11月下旬くらいから研究室を探していたと思います。

基本的には研究室HPや「日本の研究」といったサイトを活用しました。「日本の研究」では特に研究費が参考になります。

考えるべき点としては、どんな研究をしているか。メンバーはどれくらいいるか。誰がいるか(博士学生はどれだけいるか)。お金はどれくらいあるか。直近で論文を出しているか。学生が論文を出せるか。研究設備は整っているか。生物系ならどういったモデル動物を使用しているか。アクセスがいいか、など。

いろんな視点から検討してみるとよいです。

 

研究室見学について

最終的に志望した研究室の見学が4月末だったので、試験の対策はそれから始めた。かなり遅い方だと思う。その他の研究室見学は4件ほど行きました。一番早いところは、年末にアポイントを取って、2月の頭に行きました。アポイントは最低でも2週間前くらいがいいと思います。

 

受験前の学習状況について

弊学薬学部は浅く広くという授業展開をとっています。教養課程では物理や数学、専門科目では有機化学、物理化学、生化学、生物(生命科学)。また、薬理学、薬剤学などの薬に関連する科目を授業でとってました。実際には有機化学、生化学が中心でした。

講義では『Essential細胞生物学』(南江堂)という教養および医歯薬系向けの生物の教科書をつかってました。ただ、講義では中途半端で、たとえば細胞分裂とかガンの章なんかは取り扱っていない。自分で教科書を読むこともあったが、決して身についているわけではなく、大学の期末試験で勉強したあっさい知識だけがある状態。

加えて、受験にはTOEICTOEFLの成績が必要だったが、それに向けた学習は全くしたことがなかった。TOEFL itpは授業で受けさせられた。

受験に向けた学習について

受験前に立てた学習計画(参考)(実現できなかった)
英語スコア

当初東京大学新領域のメディカル情報生命を受験するつもりでした。当時は受験要項にTOEICがあったので、かなり早い段階で準備できました。結局メディカル情報生命はTOEFL ITPになっていました。2023/02/26のTOEICを受験しましたが、そのときのTOEICスコアは600。勉強してなかったとはいえ驚愕でした。授業で受けたTOEFL itpは530とかだったのでもうちょい高いかと思ってました。

5月に受け直したんですけど、学習コンテンツに課金して1ヶ月くらい勉強しました。リスニングが酷かったのでリスニングに集中して、最終的に50点上げました。筆記が5点下がって最終スコアは645点で、泣きながら提出しました。

募集要項をよくよく見てみると、TOEICは募集に必要とのことで、筆記試験とかの点数とは扱いが別であった。今となってはそもそも点数として使われることはないのではと思っています。スコア出たときは同期が720点とかで死ぬほど焦ってた。

TOEFLでもいいらしいですが、安いし試行回数も増やせるのでTOEICをおすすめします。

 

筆記対策について

勉強は過去問主体。というのも、過去問は8年分あったが、同じようなことを繰り返し問われていたので、それを落とさなければ不合格にはならないだろうという算段だった。過去問研究が最も重要であることは強調しておきたい。

しかし、自分の場合、基礎が固まっていなかった。最初はほとんど解けなかった。過去問研究で解ける部分もあるが、ごく基本的な知識が前提として要求されていた。当然だけど。講義で使用していたEssential細胞生物学は分量が多く、とてもじゃないけど、それを読む労力をかけられなかった。

そこで、『理系総合のための生命科学』(羊土社)で基礎固めを行うこととした。5月中旬くらいからこれを読みながら過去問解いてました。

www.yodosha.co.jp

ここを受験するという話になったときに、メールで連絡して、見学先の研究室の先輩に過去問の出題者の先生を洗い出してもらった(めちゃくちゃ丁寧にエクセルでまとめてくれたのでめちゃくちゃ助かった)のだが、出題者の先生の多くがこの教科書の編集に携わっていると判明。これほど効率的な教科書はない。とりあえずこの教科書を一通り読むこととした。分量も少なく、簡潔にまとまっているので、結果的にこちらで学習したのは正解だった。内容的にも合格ラインの知識を網羅するには十分かと思う。同期は理学部の方も併願するとのことでもう少し細かい知識を補完するために『Essential細胞生物学』を読んで学習していたが、これだけで対応できたということだった。基本的な内容が網羅されていれば何でもよい。

 

www.nankodo.co.jp

ただ過去問を解いてると明らかに知らない話が出てくる。そういうときは『細胞の分子生物学』(ニュートンプレス)(以下、Cellと呼称)とネットを活用した。文章で説明が必要な問題とかだとCellで読んだ方がいいかもです。文章の書き方も参考になるので。ただ、一例としてあげると過去問で取り上げられている、脂質ラフトの説明とかは微妙だった。脂質ラフトの説明問題を出題した、佐藤健先生の著書である『入門 生化学』(裳華房)に詳しい説明があったので、そちらを参考にされるとよいと思います。

脂質ラフトについて今後問われるかはわかりませんが、要はCellだけでは解決しないことが多かったので、いろんな書籍を見比べてみるとよいということです。

www.nankodo.co.jp

www.kinokuniya.co.jp

私は結局使いませんでしたが『生化学・分子生物学演習』(東京化学同人)も役に立つと思います。過去、表面プラズモン共鳴法(SPR)という実験手法や原理についての説明を求められる問題が何度か出題されています。SPR、マジで1ミリも聞いたことがなかった。Cellには説明がないけど、この演習書では出題がありました。

また、過去問ではSPRと一緒に等温滴定型カロリメトリーについても出題されていました。等温滴定型カロリメトリー、マジで1ミリも聞いたことがなかった。生命科学研究において、こういった物理化学的な実験手法を用いることがあるため、それなりに出題されます。これらについては「高分子学会」のHPや、『生化学の論理: 物理化学の視点』(共立出版)が役に立ちます。後者は上記2つ以外にもNMR(確か)やFRETなんかも詳しく説明があるので参考になると思います。

www.tkd-pbl.com

www.spsj.or.jp

www.spsj.or.jp

www.kyoritsu-pub.co.jp

以上、過去問研究時に参考にしたサイト、書籍を提示してきました。これらについては、最初から知っていたわけではなく、図書館でペラペラめくっていたら見つけました。とりあえず手元で調べて、よい解説がなければ自分の脚で探すのが一番です。が、内容的には過去問で十分であることに変わりはない。過去問で出題されたテーマについて、上記の手段で知識をつけることを繰り返すのがよいのかなと。

 

勉強時間として、実はあまり多くない。5月から勉強を始めたものの、6月頭に学会があったり、論文紹介や研究まとめ報告の資料作りに追われたりで5, 6月は勉強時間は取れなかったし、7月中旬からラボの院試休みをもらったが、最初の1週間は怠慢で全く勉強しなかったし、その次の週は毎日2時間から4時間くらい。そのあとは過去問消化して終わった。過去問2週とかも別にしてない。勉強を始めるのに、遅いということはないと思います。

 

選択問題について

私は「化学・生化学」「生物学」の中で解けそうなものをピックアップして解いてました。3問分解ければいいので、何年分か解いてどの年も3問分解ければ十分と思います。私はだいたい5問分くらい解いてました。「生物学」はホルモンとか細胞内輸送とかが頻出なので、それが来たら解けるようにしておく、みたいな考え方。植物とか人類学っぽい問題とか、細胞分裂とか細胞骨格の問題とかは全然知らないことばかりなので、それらが出題された年度は解くのが難しかった。ただ、多くの場合は基本的な知識があればある程度考えて解けるみたいな印象がありました。

一方で「化学・生化学」の問題は、計算があってか取っつきにくさもありますが、結構簡単です。いくつかの式を知っていれば解けました(対策は特にしておらず、学部で受けた授業スライドを少し読み直した程度)。

 

本番、筆記試験

さて、本番の試験内容に触れていきます。本番は「化学・生化学」から3問の出題でその3問を解きました。2023年度はこの分野がクッッッッソ簡単で、マジで全部教科書に載ってるような問題でした。アミノ酸とかタンパク質とか。エネルギー計算とか。Lambert-beer則とか。ちなみにアミノ酸は構造含めて必須知識です。ほんとによく出ます。

自分は生命科学系の研究室志望で、かつ薬学部ですが、一番得意な科目は物理化学でした(覚えるのがとにかく苦手なので相対的に)。そのため、光やエネルギーの話題が出ると結構都合がよかった。薬学部の人は生化学や有機が出来る人が多い(気がする)ので結構自分は珍しい側だと思います。「生物学」は難しそうでした。同期は「化学・生化学」から2問、「生物学」から1問選択したみたいですが、結構大変だったらしい。ただ、あとになって考えてみると、頑張れば「生物学」も6割くらいは解けたかも知れないとも思う。「物理学」もパッと見簡単そうでした。「身体運動科学」?とかを解いてる人が結構周りにいましたが、文章量が多くて大変そうでした。今年は「化学・生化学」を選んだ人は有利だったんじゃないか。

とはいいつつ、正答率は体感6-7割くらい。解き終わったあとにいろいろ考えるとあれ違うやんけ!とか、見直しをして最後問題の読み間違えに気付き直すも時間が足りず焦って間違える、エンタルピー計算どうすんだっけ?みたいなことがあったので、簡単とはいいつつも思ったより点は取れてないかも。

想定では、(過去問研究で解ける部分で50%)+(考えれば解ける部分で25%)、の合計75%解ければ確実ラインと思っていたので、受験後はまぁ流石に受かりはするだろみたいな気持ちでした。50後半から60取れてれば最低ラインかな~くらいの認識でした。

「化学・生化学」は過去問見ても難易度が上がりきらないっていう印象だったので、これから勉強を始める人には対策することをオススメしておきます。

 

口述試験について

8/22、総合文化研究科のHPで受験番号とともに、口述試験対象者が発表されました。口述試験はzoomで行うということで、自分の番号を確認したあと、メールで送られてきたzoomの接続確認の日程などのpdfを確認。接続確認については8/23に、本番は8/24。口述試験の期間が8/24-8/29にあることは予め知らされており、いつになるかわからない状況でした、全て8/22の発表後に知らされました。

自分としては8/25-8/27で開催される『Animelo Summer Live 2023』に参加する予定があったので、それと被るかどうかで気が気ではなかったのですが、口述試験は8/24に行われたので無事でした。研究室見学のとき、M1の先輩に聞いたところ、前年度も同じような日程だったので、基本的には8/24で、上手く予定が合わない場合にその後の日程が用意されているのではないかと思います。

 

内容については掲載を禁じられているのでなにも言えないです。すいません。

院試の面接でよく問われそうなことについては、解答を用意しておくといいと思います。あとは、研究室見学に行って、直接先輩に聞いてみるとより詳細な回答を得られると思います。他の研究室の先生方がいっぱいzoomに入っているので緊張するとは思いますが、どもってもちゃんと受け答えできれば大丈夫だと思います。なんなら、「面接は本当にラボに入れても大丈夫な人間かどうかの確認」って、うちのラボのジョッシュも言ってたので、気負う必要はないと思います。

 

試験後の所感

9/4の正午に総合文化研究科のHPで番号が張り出されまして、合格を確認。即座に関係各所に連絡。学部同期一番仲のいい友だちに一番先に連絡した気がする。

筆記試験では、受験番号を数えると81人とか受けてた。口述試験の段階で、64人残ってました。そもそも筆記試験会場に来てなかった人も何人かいたが、落とされた人間全体と比較するとわずかで、まぁまぁの割合が筆記試験で落とされたっぽい。定員は40人だが、確認できる範囲内では2020-2022年で52人合格しており、2023年は57人合格した。

点数的に絞りきれなかったのかなぁと。自分の推測としては、筆記試験の点数帯にはボリュームゾーンがあり、その集団から点数的に離れなければ合格ラインなのではと考えています。

 

まとめ

体験記で書ける範囲内では以上の内容になります。来年以降受験される方の参考になればと思います。研究室見学と過去問が大事です。

受験するつもりがなかったけど、このサイトの記事を偶然読んだ方がいたら、受験を考えてみるとよいかもしれません。生命環境科学系、調べてみると、かなり面白いことを研究している先生方がたくさんいらっしゃいます。(入試説明会で初めて知った。)理学研究科ではなく総合文化研究科ならでは、という感じです。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

にじさんじ甲子園-リアルタイム配信という1つの作品

こんにちは、かいんです。

 

にじさんじ甲子園というのを初めてリアルタイムで見ました。

本戦Aリーグ、白熱した試合でしたね。

自分はリゼ・ヘルエスタさんのファンなので王立ヘルエスタ高校の応援をしていました。

また、元々社築さんはトークがおもしろくて好きで、育成配信のときから追っていたので、横須賀流星高校の応援もしていました。

 

いやー、面白かったです。試合展開もそうなんですが、改めて「舞台的な面白さ」みたいなものを感じました。

今回はその「舞台的な面白さ」について、お話ししたい。

 

 

配信中の出来事は全て作品の一部である

ああいったリアルタイムの配信は、そこで行われたあらゆることを引っくるめて1つの"作品"になってしまう、というのが不思議で面白いですよね。

舞台というのは1つとして同じ舞台はなく、その場その場の失敗なんかも引っくるめて舞台です。

舞台は生き物なんていう表現がありますが、まさにリアルタイム配信は舞台に通ずる面白さがあると実感しました。

 

例えば、舞台では緊張のあまり声が出なくなってしまった演者を逆手にとって、演出によって「深い絶望に陥った人」というような見せ方にも出来るわけです。

 

にじさんじ甲子園2023で何が起きたのか

ヘルエスタ高校は今回、1勝2敗1分けでAリーグ4位という戦績で、優勝の権利を失ってしまいましたが、私としてはリゼ・ヘルエスタさんの試合の演出力みたいなものに感動しました。

というのも、引き分けも含め、大接戦のシーソーゲームを幾度とつくってくれました。

操作自体はコンピューターであるし、采配によって意図的に接戦を演じていたわけでもないので、彼女は直接的には無関係ですが、「試合の魅せ方」としては満点だったのではないかと思います。

本人としては接戦の状態は苦しいはずだし、負けてしまえば悔しいはずではあるのですが、リスナーの目には、それらを引っくるめて「面白い試合」として映るわけですから。

 

ゲームに本気になるのは楽しい。さらに勝てればより楽しい。それはここにいた配信者らに共通する気持ちであることは確かなのだろうと思います。

一方で、この試合の模様を配信してリスナーに見せている以上、1つの「配信」であるわけです。

つまり、敗北してしまってもそれは1つの「配信」としては成功している。配信が成功していれば、最終的には"勝利"になります。

言い方は悪いですが、試合に負けて勝負に勝つ、的なやつです。

 

ゲーム内で勝っても負けても、配信としては成功し得る、という不思議。これがリアルタイムの配信の面白さの1つといえるでしょう。

 

ただし、成功し"得る"というだけで、本当に成功するかどうかは、その結果に至る過程に依存するものではあります。

また、成否は個人の解釈に依りますし、どんな内容であろうと、結果は得られるわけですから、そういった意味では本質的な失敗というのは存在しないのかもしれません。

接戦を演出するリゼ・ヘルエスタ率いる王立ヘルエスタ高校



 

 

配信を「魅せ」続けた配信者

リアルタイムの配信を魅せるということ。

この点に注力していた配信者がいました。

黛灰さんです。

惜しくも引退されましたが、彼はあらゆる配信が「最終的にどういった配信になるのか」「リスナーに自分のキャラクターはどう映っているのか」ということを考えていた人間でした。

 

もちろん、どんな配信者もそういったことを考えているとは思うのですが、彼はそういった姿勢を全面的に押し出していました。

 

www.youtube.com

 

www.youtube.com

www.youtube.com

この辺りが彼のそういった面がよくわかる配信だったと思います。

vtuberに関してはライトな人間なので、チョイスが浅いのは許して...。

 

特に桃鉄の配信は、リアルタイム配信的面白さという点において特出しています。

 

相羽ういは、緑仙、北小路ヒスイの3人と桃鉄をするか、森中花咲さんと桃鉄をするか。

その間をアドリブ的に揺れ動く黛灰。

 

「逆凸桃鉄」という企画を被らせること。そこまでは台本通りですが、それ以降のやりとりはアドリブです。

 

相羽ういはがメンバーを3人集める一方で、森中花咲は1人も集められず。彼はその時点で一旦森中花咲サイドに付くことを決めていたのと思います。

桃鉄をやって楽しむ、桃鉄で勝って楽しむ。

そうではなく、森中花咲が1人になったことを利用して、

2つの配信を横断した1つの物語

をつくりあげようとしていました。

 

今回の記事はこれで以上になります。

Vtuberに関しては自分はいわゆる"にわか"ですので、有識者の方々はいろいろ言いたい部分があったかと思いますが、その点ご了承いただけると幸いです。

 

にじさんじ甲子園2023は昨日で全行程が終了しました。

エキシビジョンもやるみたいですが。

3日目の試合についても以下で少しコメントします。

 

ネタバレ

結果はにじさんじ高校が優勝。

横須賀は決勝にて0-8で大敗を喫しました。

勝敗はいずれにせよ、もう少し競った試合展開であれば作品としては盛り上がったのでしょうが、それに関してはどうしようもありませんね。

そういった意味では3位決定戦の勇者育成 vs まめねこ は1番といってもよいくらいの面白い試合展開を見せてくれました。

ともかく、決勝に関しては椎名監督もプレッシャーの中戦い抜いたということで、全監督に拍手を送りたいところです。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

倍速視聴にオタクはどう向きあうべきか-逆に考えるんだ。

こんにちは、かいんです。

ブログモチベが高いので、連日のブログ投稿になりそうです。

実は大学院試験が間近に迫っていて、こんなことをしている場合ではないのですが、勉強のやる気も出ないのでとりあえず頭と指の運動がてら書きます。

 

 

前置き

今回のテーマは「倍速視聴」です。映画やアニメを倍速で視聴する風潮が出来ているらしい。なんでも周りと話を合わせるためにとりあえず内容を把握する目的で倍速にして見るという。

ぼくが最初にこの話を聞いたときは「正気か!?」と思いましたが、今ではまぁそんな選択肢もあるのかなという考えです。

ただ、今回の本題は倍速視聴がいいか悪いか、なんて擦られ切った話ではありません。誰もがこの話はしているし、ぼくよりも多くのことを根拠立てて、多くのことを考えてこの話をしている人は大勢いるわけですから。

今回ぼくが本題とするのは、倍速視聴という概念を提示されたことで、ぼくらアニメオタクは新たな視点を獲得、またはその視点を再認識できるのではないかという話です。そしてさらにこの考え方を一般化できれば、より広い視野でアニメに限らず作品を見ることができるのではないかというところまで踏み込んでみたい。

それでは本題に入ります。

 

倍速視聴で失われること

倍速視聴はなぜ物議を醸しているのか。なにが失われるのか。倍速視聴については多くの人たちが議論を交わし合っていて、そのメリットとデメリットは議題に挙がります。書籍なんかも出版されています。

ほんとうはそういった文献を参照して、どういったものがメリットとデメリットとして挙げられているかを書きたいところなのですが、めんどうなのでその辺のブログから引用します。

YouTubeを倍速で視聴することで、動画全体の雰囲気が掴めないという意見もあります。

音楽のライブ映像や動物のドキュメンタリー映像などは、周りの景色や音と共に楽しむジャンルであるため、そのような動画ではワクワク感を感じられなくなってしまうかもしれません。

また、ホラー映画やサスペンスドラマなども間の取り方やタイミングが重要になるため、倍速機能を使うには適していないこともあります。

YouTube倍速視聴の設定方法やメリットデメリットを紹介|株式会社メディアエクシード|デジタルマーケティング

より引用

 

「ホラー映画やサスペンスドラマでは間の取り方やタイミングが重要」というところはアニメ視聴にも当てはまることだと思います。

つまり、アニメの倍速視聴においては、「間」や「タイミング」が失われてしまうということになります。

 

そのほかにもギャグアニメであればボケとツッコミの掛け合いのテンポ感だったり、日常系であれば間延びしたシュールな雰囲気ヒーリング系であればゆっくりほのぼのとした時間の流れ方だったりも失われてしまうのではないでしょうか。

そういった意味で、アニメの倍速視聴について多くのお気持ちが表明されているのかもしれません。

 

倍速視聴の風潮からなにを学べるか

先ほど倍速視聴によって失われるものを検討しました。整理すると

・間

・タイミング

・テンポ感

・時間の流れ方

が失われるということでした。

 

さて、これを受けてオタクはどうすべきかということなんです。

「制作側は間やタイミング、テンポ感や時間の流れ方を計算してつくっているんだ!だから彼彼女らにリスペクトを示すためにも等倍で最初から最後まで見なきゃダメだ!」

と、倍速視聴をする人に主張し、強制しますか?

 

それとも、批判するだけして

「君らと違って俺私はリスペクトを示すためにも等倍で最初から最後まで見る!」

意固地になってその姿勢を貫きますか?

 

 

かつては後者でいいと思っていました。別にどちらも悪くはないはずです。

ただ、それでは何も進展がないなと。

どうせならこれをより良い方向に持って行けないかと、考えました。

 

 

逆に考えましょう。倍速視聴しちゃってもいいさと。

 

どういうことか。別に実際に倍速視聴を強要するわけではなく、単なる思考実験の一種です。

仮に倍速視聴したらどうなるのかと。具体的に想像しましょう。

 

BGMとともに、風景を写すカットがあっという間に流れ、主人公が映される。主人公の紹介カットもあっという間に終わり、舞台が設定される。そしてOP。当然早口。OPが終わり、主人公とそのほかのキャラとの掛け合いが行われるetc...

 

そう考えるうちに気づくはずです。先ほど指摘したところに考えが至るのではないでしょうか。

「展開が早いな。」

「おっとりしたキャラなのに早口なのが違和感。」

ヒーリング系なのにテンポが早くて気が休まらない。」

などいろいろと文句問題点が浮かんでくるのではないでしょうか。

まさにこの点が重要なんです。

 

こういったことを考えることによって、

実際にアニメを見るときの観察眼が養えるのではないだろうか

ということです。

たとえば

「主人公が敵に追われている場面は、BGMのテンポが速く、カットが次々と切り替わって緊迫感を煽るような演出になっていてよかったな。」

とか

「母親が今にも亡くなりそうで、娘に必死にメッセージを残そうと手紙を書いてるシーンは、テンポを遅くあえて時間の流れを遅くすることで、視聴者にこの先の展開を予想させて感動を誘うようなつくりになっていたのがよかったな。」

のように、倍速視聴で失われた要素にまで視野が広がるのではないか。

 

このように、倍速再生をする、またはその思考実験を経ることで、等倍再生をしていたときには至らなかった視点が新たに得られる(または再認識できる)可能性を提示したい。

 

観察眼をさらに磨くには

さて、以上では倍速再生をする、または思考実験することで新たな視点が見つかるのではないか、ということについて話をしてきましたが、この話を一般化することで、より広い視野で作品を観察できる、より深いレベルの洞察を得ることができる可能性について検討したい。

 

倍速再生についての話を振り返りましょう。普段等倍で見ているものを、「仮に倍速で見たら、なにが失われるのか?」という方向で話を進めてきました。この構造を抽象化すると、

「極限化→損失の検討」

です。あまり上手く抽象化できませんでしたが...

要は、あえてなんらかのパラメータに極振りしたときに、失われたものを考えることでそれが必要なものであったと再認識できるのではないかということです。

 

たとえば、今回は視聴速度を倍速にしたわけですが、このルールに基づくならば、もっと速くしていい。2倍どころか3倍、4倍...と。そこでは何が失われているでしょうか。

もはや1カットの中に描かれている細かい要素なんかには目を向けることはできないでしょう。また、セリフも速すぎて聞き取れない。

そこからどんな視点を学べるのか。

 

「1カットの細部の書き込み」「セリフの可聴性」でしょうか。そのほかにもあると思います。

 

また、映像をなくしてみてはいかがでしょうか。

BGMと効果音、セリフだけで話を想像することになります。難しいと思います。小説とは違って、映像に説明を任せている部分がかなり大きいはずです。風景や建築様式の描写があれば、ある程度場所や時代背景を推測することもできる。そこからどんな視点を学べるのか。

 

「映像による舞台設定の説明」でしょうか。

 

映像があることでこんなにも舞台の背景がわかりやすくなっていたんだな...と実感するはずです。

 

他にも音をなくして映像だけで見たり、逆に1/2倍速で再生して見たり、めちゃくちゃ小さいウィンドウで見たり。いろんな試みが考えられます。

なにかについて極限化したとき、どうなるのか...自分でいろいろと考えていくと、作品をより多角的な視点で観察、視聴できるようになっていくと思います。

 

まとめ

今回の記事はこれで以上となります。

今回の記事では倍速視聴で失われるものはなにか、そこから学べることはあるのか、一般化して作品を多角的な視点で視聴するための方法論について述べてきました。

 

これは別にぼくが実践していることではなく、ただのアイデアです。

こういう考え方をした方がおもしろいな~と思ったことを書いただけです。

参考にしていただければ幸いですし、なにを言ってるんだこいつはと思ったならばスルーでどうぞ。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。